11月1日 聖餐式礼拝メッセージ ~聖霊降臨節第24主日~

『私はヤコブ、押しのける者です』

聖書:創世記32章21節〜33章4節(旧p60)

メッセンジャー:森英樹師

ヤコブは神様の祝福を求めながらも、自分の知恵と力によって祝福を手に入れようとしてきた人でした。兄エサウになりすまして父イサクから祝福を受けた結果、兄の怒りを買い、故郷を離れざるを得なくなりました。 長い年月を経て、神様はヤコブに故郷へ帰るよう命じ、「わたしはあなたとともにいる」(31:3)と約束されました。
しかし、エサウが400人を連れて来ると聞き、ヤコブは恐れと不安に襲われます。

1.「ヤコブは一人、後に残った」神様の前で自分自身と向き合う
ヤコブは家族や財産をヤボク川の向こうへ渡らせ、一人残りました(32:24)。これまで知恵と策略によって危機を乗り越えてきたヤコブでしたが、過去の過ちと兄への恐れは、自分の力では解決できませんでした。
しかし、ヤコブは一人ではありません。神様の側から近づき、彼と向き合ってくださったのです。

2.「私の名はヤコブです」――神の前で本当の自分を認める
神様はヤコブに「あなたの名は何というのか」と尋ねられました(32:27)。
かつて父イサクの前で「私はあなたの長子エサウです」(27:19)と偽ったヤコブが、今、神様の前で「ヤコブです」と答えます。
ヤコブとは、兄のかかとをつかんで生まれたことに由来し、人を出し抜く者という意味も重ねられた名前です。「神様、私は押しのける者ヤコブです。これが私です。」
そのような告白として、この言葉を受け止めることができます。
神様はそんなヤコブを退けず、「イスラエル」という新しい名を与えられました(32:28)。
私たちも神様の前で自分を偽る必要はありません。罪も弱さもご存じの神様は、イエス・キリストの十字架によって私たちを赦し、新しく歩ませてくださるのです。

3.「ヤコブ自身は彼らの先に進んだ」――弱さを抱えながら神とともに歩み出す
神様との格闘を経て、ヤコブは腿のつがいに触れられ足を引きずっていました。しかし翌朝、兄エサウが近づくと、「ヤコブ自身は彼らの先に進んだ」(33:3)のです。
後ろに残っていたヤコブが、今度は先頭に立ちました。強くなったからではありません。神様に出会い、その恵みによって変えられたからです。
そしてエサウは走り寄ってヤコブを抱きしめ、二人は涙の再会を果たしました。

結び
ヤコブは、エサウに会う前に、神様に会わなければなりませんでした。私たちも、自分の弱さや罪を隠すことなく、「主よ、これが私です」と神様の前に立ちたいと思います。
神様の祝福は、自分の力で勝ち取るものではなく、恵みによっていただくものです。
弱さがなくなってからではなく、弱さを抱えたまま、主に信頼して新しい一歩を踏み出させていただきましょう。

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