6月2日礼拝メッセージ

 -いかに生きるか-十戒(8)『盗んではならない』

聖書 出エジプト記20章15節(旧p135)

メッセンジャー:高江洲伸子師

物質的な「盗み」の第8戒と精神的な「むさぼり」の第10戒
十戒はイスラエル共同体を前提としています。第7戒が互いに配偶者を大切にすることであるとすれば、第8戒は互いの所有物を大切にすることです。他者への配慮あるところには、必ずその人の所有物への配慮と結び付いてるからです
。さらに、第10戒が精神的なむさぼりの欲望を禁じているものであれば、第8戒は、物質的な「盗み」一般を禁ずるものと考えられます。当時「盗み」は深刻な社会的、倫理的問題であり、信仰の問題でもありました。それゆえ隣人
の所有物の権利を侵した者は、4倍、5倍にして償わなければなりませんでした。(出エジプト記22:1-13、サムエル記下12:16)

所有物と自由の関係
 更に、第8戒は自由に関わる戒めでもあります。人のものを盗むことは、人の自由を奪うことの一部だからです。その人が自由にできるはずのものを奪い取ることは、その人の自由を奪うことに他なりません。この戒めは、主なる神が奴隷の地から解放してくださって、与えられた自由を再び失ってはならない、ということを意味しています。

隣人を助け、隣人の利益を促進する生き方
  「ハイデルベルク信仰問答」は第8の戒めを、「わたしが、自分にでき、またはしてもよい範囲内で、わたしの隣人の利益を促進し、わたしが人にしてもらいたいと思うことをその人に対しても行い、わたしが誠実に働いて、困窮の中にいる貧しい人々を助けることです」と答えています。この信仰問答の中からも、「盗んではならない」の戒めには、罪から解放された私たちが、隣人の利益の為に(私たちの出来るところにおいて)、積極的な行動をすることによって、主イエスの十字架と復活によって罪の奴隷状態から解放されて新しく生きる信仰者の自由な生き方を表しているということであることに気付きます。

人にしてもらいたいと思うことをその人に対しても行う
 イエス・キリストは、マタイによる福音書第7章12節で、「人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも同じように人にしなさい。」と言われましたが、このように生きることが出来る人は、自分の持ち物や自己への執着心から解放されていて、隣人の必要に応じて、助けることができる自由を得ています。他人の持ち物や他人の自由を「盗まない」だけでなく、そのような利益の奴隷状態から解放して、人が自分に対して願っておられることをも行う
ことができる、自由を与えようとしておられるのです。

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