11月12日礼拝メッセージ

「子どもたちを、わたしのところに来させなさい」

 -幼児祝福式ー

聖書:マルコの福音書10章13-16節(新p87)

メッセンジャー:高江洲伸子師

マルコの福音書10:13―16節
13.さて、イエスに触れていただこうと、人々が子どもたちを連れて来た。ところが弟子たちは彼らを叱った。14.イエスはそれを見て、憤って弟子たちに言われた。「子どもたちを、わたしのところに来させなさい。邪魔してはいけません。神の国はこのような者たちのものなのです。15.まことに、あなたがたに言います。子どものように神の国を受け入れる者でなければ、決してそこに入ることはできません。」16.そしてイエスは子どもを抱き、彼らの上に手を置いて祝福された。
                   
 イエス様は、「子どものように神の国を受け入れる者でなければ、決して、そこに入ることはできません。」(15)と言われました。「そこ」とは言うまでもなく、神の国のことです。ところがネットでヤフーの知恵ぶくろを見ていると、「いつまでも子供の心で居たい。病気でしょうか? 41歳女性です。何歳歳を取っても違和感があり辛いです。」と答えられている人もおられたのです。そこで、今朝は、イエス様が言われた子どものような心とはどのような心のことを言っておられるのか知りたいと思います。
子どものような心
例えば、赤ちゃんは自分の力で生きていけません。赤ちゃんが自分で食事をし、服を着たりするでしょうか。赤ちゃんは誰かにお世話をしてもらわないと生きていけない存在です。反対に、大人は自分の力で生きてゆきます。力があってもなくても、大人はそうして生きてゆきます。けれどイエス・キリストは、立派に自分で生きている大人に向かって、「自分でしっかり生きていきなさい。それが大人ですから」とは言われず、「…わたしのもとに来なさい。わたしがあなたがたを休ませてあげます。」(マタイ11:28)と仰られたのです。
赤ちゃんが親のもとで自分の必要が全て満たされ、安心を得るように、私たちがキリストのもとに行く時、「そうすれば、たましいに安らぎを得ます。」(マタイ11:29)とイエス・キリストは仰られました。人は魂の親のもとに行くとき、魂の必要の全てがそこに備えられていることを知ることができます。
年末になると来年度のカレンダーが目につきますが、星野富弘さんが描いている絵がカレンダーになっているのをご覧になった方は少なくないかもしれません。彼は大学を卒業し、体育の教師として赴任直前、鉄棒から落ちて、誰かにお世話をしていただかなければ生きてゆけないお体になりました。その時の苦しみはどれほどのものだったでしょう。
ある日、星野富弘さんが夢を見たそうです。彼は川を上流に向かって流されないように必死で泳いでいましたが、やがて体が疲れてもうだめだと思い、自分の力を抜いて流れに身を委ねたそうです。すると、非常に心も身体も安らかになって、この流れに身を任せて生きてゆこうと思ったということです。星野さんは、自分の人生を神の御手にお委ねし結婚もされ、(口に筆を加えて描く)絵を通して多くの人にキリストに委ねて生きる幸いを描きだしておられます。
イエス様が仰られた子どものような心とは、子どもがお母さんに信頼して自分を任せるように、自分の力でなく主にお委ねて生きてゆく心のことです。

 また、子どもは自分が小さな存在であることを知っています。ですから、大人ほどの見栄やプライドに左右されません。イエス・キリストは、「心の貧しい者は幸いです。天の御国はその人たちのものだからです。」(マタイ5:3)と言われました。心が貧しい人とは持っているものが少ない人のことです。子どもは大人ほど貪欲でも高慢でもなく、与えられたものを喜び満足しながら生きています。
 エルサレムという都市はかつて城壁で周りがぐるりと囲まれていましたから都に入る為には門をくぐらなければなりません。様々な門がある中で、針の門という非常に狭く小さな門もありました。その門をくぐる為には持っている荷物を置いて入る他通り抜けることはできませんでした。イエス・キリストは、「狭い門から入りなさい。」(マタイ7:13-14)と言われました。大人になった私たちはあまりに多くのものを持っているので、子どもの頃だったら入ることができたかもしれない天国の門を、もはや入ることができなくなってしまっているかもしれません。
 イエス様は、「子どものように神の国を受け入れる者でなければ、決して、そこに入ることはできません。」と言われましたが、持ち過ぎた物だけでなく、持ち過ぎた心の重荷、他者への気遣いもあるでしょう。それらを全て手離して、幼子のように小さくなって「狭き門に入る」ことを勧められたのでした。

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