9月17日礼拝メッセージ

「終わりに」

-エペソ人への手紙(17)-

聖書:エペソの手紙6章10-24節(新p392)

メッセンジャー:高江洲伸子師

 さて、エペソ人への手紙も最終段階に入りました。パウロは最後に最も重要な勧めをしようと襟を正す思いで、「終わりに言います。」(10)と勧めをしています。

 キリスト者の戦い
 もし、私たちが戦いの備えをするならば、闘う相手をまず知ることから始めるでしょう。では、私たちキリスト者が闘う相手とは何なのでしょう。パウロは明言致します。それは悪魔です。キリスト者が勝利の生活をおくる為には、敵である悪魔についてよく知らなければなりません。
 旧約で悪魔(旧サーターン/新サタナス)は、「敵する者」を表わします。ゼカリヤ書3:1では、主のみ前にあった大祭司ヨシュアを責め訴え、マタイ4:1では、イエス様を試みる者として登場し、マルコ4:15では神の教えの成長を妨げる者。偽り(使徒5:3)、殺人の扇動者(ヨハネ13:27)。絶えず人を神から離反させよう(Ⅰペテロ5:8)と働いています。けれど、その働きは制限されていて、最後はキリストによって滅ぼされます (ルカ10:18、Ⅰヨハネ3:8、黙示録20:2)。 

 サタンの力
  サタンの戦力は獅子の如く強大、その策略は蛇の如く狡猾。この悪魔との戦いに勝利する為には、まず、悪魔に対して私たちの力は非常に弱いということを認識する必要があります。けれども、その弱い私たちに向かって使徒パウロは、「主にあって、その大能の力によって強められなさい」(10)と言っています。
ここでの「強められる」は受身です。神に強めていただくのです。しかも「主にあって」です。主の御手の中に落ち込んでしまえばしまうほどキリスト者は神の力が及び強くなってゆきます。新共同訳は「主に依り頼み」と訳されています。私たちの力が0になれば神は全能のお方として百パーセントお働きくださいます。笹尾鉄三郎師は、「われらの戦闘力は、第一にわれらの無能、第二に神の大能」と言いました。弱さは決して勝利の妨げにはなりません。
けれど、私たちの内にある「己」は、自分を無能と認めることを許しません。口先では「ダメな者ですが、」と言っても、いざとなれば、むくむくと己が鎌首を上げてきます。クリスチャンの戦いはこの「己」にあると言っても過言ではありません。使徒パウロは、この「己」である「私はキリストと共に十字架につけれました。もはや私が生きているのではなく、キリストが私のうちに生きておられるのです。」(ガラテヤ2:19,20)と言いました。勝利の秘訣はここにあります。

   神の武具
   パウロは「悪魔の策略に対して堅く立つことができるように、神のすべての武具を身に着けなさい。」(11)と勧めます。建物を建てる為には、綿密な設計と建物を建てる為の工具と材料が必要な様に、戦いに勝つためには武具が必要です。
キリスト者の武具は、まず「真理の帯」(14)です。兵士にとって腰は最も重要な部分です。キリスト者の腰を強めるのは聖書の真理です。様々な時代の風が私たちを揺るがす時も、聖書の真理に立つことで、神は驚くばかりの力と自由を与えられます。次に、胸には「正義の胸当て」(14)です。即ち、私たちを訴えてくるサタンの揺すりに遭っても、御子イエスの十字架の血によって全ての罪は赦されていると確信をもって堂々と胸を張ってサタンの前に立つ時、サタンはその人に手だしすることができません。更に、兵士にとって靴もまた重要な武具です。(ナポレオンがロシア遠征で敗北した理由が靴にあったことば有名です)。福音の履き物、それは、律法の靴ではありません。福音の戦士はありとあらゆる人を捕らえることができる「平和の福音の備え」(15)という愛の靴が必須です。さらに、「これらすべての上に、信仰の盾を取りなさい」(16)とパウロは勧めています。信仰の盾によって、悪しき火矢を打ち落とすことができるからです。頭には「救いのかぶと」(17)、片方の手には神のことばである「御霊の剣」(17)。悪魔はしばしばブレイン(頭脳)を混乱させ、迷わせてきます。けれど、聖霊とみことばはそれを守ります。ここでは槍や鉄砲はでてきませんが、祈りは爆撃的な飛び道具です。祈りこそ悪魔に勝利する秘訣です。教会は祈りの量に比例して聖霊が働かれます。手をつけた工事を完成に導かれるのもご聖霊です。「どんなときにも御霊によって祈り…目を覚まして、…忍耐の限りを尽くして」(18)祈りましょう。祈り出せ、祈り続けよ、祈り抜け、抜けた祈りで祈り続けよ、とは小島師。
 さいごにパウロは、信仰に伴う愛と、不変の真実と、恵みの挨拶と祝祷をもって筆をおきます。

参考図書 工藤弘雄著「高度を上げよ」新教出版社編「聖書辞典」
新聖書講解シリーズ佐布正義著「エペソ書」

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