6月25日礼拝メッセージ

「誰でも、新しくなれる」

聖書:コリント人への手紙第二5章17節(新p361)

メッセンジャー:高江洲伸子師

 「毛虫這う、蝶となる日を夢見つつ」これは玉木愛さんによってよまれた俳句です。今は毛虫のように醜い姿をしていても、やがて蝶のようなキレイな姿に生まれ変われるという思いが込められています。イエス様は、博学な議員のニコデモの訪問を受けた時、「人は、新しく生まれなければ、神の国を見ることはできません。」(ヨハネ3:3)と言われています。 
 かつて神学生の頃、バイブルキャンプに来た学生が、「これで僕は三度目生まれ変わりました」と言っているのを聞いたことがあります。彼は、キャンプに来るたびに心が新しくされるので生まれかわったと表現したのですが、イエス様がニコデモに行った「新しく生まれる」という意味とは違っています。なぜなら、一度新しい命に生まれ変わった人は二度、三度と生まれかわる必要はなくなるからです。それは丁度、毛虫が蝶に生まれ変わると、死ぬまで変わることなく蝶のままであるように、私たちも新しい命に生まれ変わったならば、以前のものとは別ものなのです。譬えばトンボはヤゴの時には泥水や水中でしか生きられない状態でしたが、一旦トンボとして誕生すると、もう泥水の中では生きることはできなくなります。神によって一度生まれかわった人は、神の世界で羽ばたきながら、天の御国に帰ってゆく者とされます。 

古い私から新しい私へ
アメリカのエール大学と言えば、日本でも名が知られている名門校ですが、かつて、学生の75パーセントがコンプレックスに悩んでいるという調査結果があったそうです。私が読んだ本は1978年出版の書籍でしたから、現在ではどれほどのパーセントになっているか想像がつきません。ある人は、劣等感を定義して、「恥じなくてもよいことを恥ずかしがり、恥ずべきものを恥じない、ゆがんだ的はずれな心」と言いました。
何よりコンプレックスのやっかいなところは、歪んだ形で現れるところです。その一つに攻撃性や怒り、高ぶりの感情があります。そうかと思えば、羨望や妬みのような形で現れたり、時には、皮肉や陰口、悪口となってでてきます。そうした思いが第三者に矛先が向けられると八つ当たりになります。これも、近年複雑化していて、通りすがりの全く無関係の人に向けられることもあるようです。
イエス・キリストは「自分を愛するようにあなたの隣人を愛しなさい」と言われましたが、コンプレックスが強いと、愛さないといけない時に憎み、赦さなないといけない時に怒ってしまい、感謝しないといけない時に不平がでてきたりします。そのような愛のない自分に自滅してしまうことがあります。コリント人への第一の手紙13章で使徒パウロは愛について、「愛は寛容であり、愛は親切です、また人をねたみません。愛は自慢せず、高慢になりません。礼儀に反することをせず、自分の利益を求めず、苛立たず、人がした悪を心に留めず、不正を喜ばずに、真理を喜びます。すべてを耐え、すべてを信じ、すべてを望み、すべてを忍びます。」(4-7)と言っています。コンプレックスに引き回されている世界と愛の世界はなんとかけ離れていることでしょう。
 ラジオ牧師で有名な羽鳥明先生は、著書「あらしの中の人生」で、「夫の愛が確信できない妻と夫の愛され満たされている妻」について次のように言っています。「夫の愛が確信できない妻は、たとえ夫にはいそいそと仕えて、何一つ不平をもらさなくても、近所の人のことばを神経質に気にしたり、子どもや周りの人につらくあたったり、ふさぎこんだりします。けれど、夫から愛されて、いつも満たされている妻は、周りの人から悪口を言われても、夫の地位が高くならなくても、決してイライラしたり、トゲトゲしません。」と。このことは、愛がどんなに必要なものであるかを物語っています。
旧約聖書でエレミヤは、「人の心は何よりもねじ曲がっている。それは癒しがたい。だれが、それを知り尽くすことができるだろうか。わたし、主が心を探り、心の奥を試し、それぞれの生き方により、行いの実にしたがって報いる。」(17:10)と書いています。放蕩息子は、放蕩の限りを尽くし、財産の一切を失い、人生のどん底で、「本心にたちかえる」ことができました。そこで息子が決意したことは、父のもとに帰ることだったのです。

   時計が壊れたときには時計屋さんで直してもらいます。心が壊れた時の心の修理は心を造ってくださった方のもと行くしか方法はありません。「だれでもキリストのうちにあるなら、その人は新しく造られた者です。古いものは過ぎ去って、見よ、すべてが新しくなりました。」(コリント第二5:17)誰でも、キリストのもとに行く時、コンプレックスに振り回されてきた古い自分は十字架の死に渡されて、新しい命が始まります。

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