12月11日礼拝メッセージ

「不思議な助言者」

聖書:イザヤ書9章6-7節(旧p1181)

メッセンジャー:高江洲伸子師

救い主(メシア)の誕生は、突然の出来事ではなく、約束されていた出来事でした。イザヤはBC740-690頃活躍していた預言者でしたが、9章6節で、「ひとりのみどりごが私たちのために生まれる。ひとりの男の子が私たちに与えられる。主権はその肩にあり、その名は『不思議な助言者、力ある神、永遠の父、平和の君』と呼ばれる」等、メシア到来の預言を各所でしています。

イザヤの生存していた時代的背景の中に見るメシア預言
イザヤが預言活動をしていた時代、北イスラエル王国とアラムは連合を組み、南ユダに侵入しようとしていました。南ユダ王国のアハズ王も民もその知らせを聞いて、「林の木々が風に揺らぐように揺らいだ」(イザヤ7:2)のです。けれど、その時、神様はイザヤに、「それは起こらない。…あなたがたは、信じなければ堅く立つことができない。」(7:4-9)と語られましたが、アハズ王は、神の力を信じるよりも、強大なアッシリアの力を頼みとし、同盟を結びました。アッシリアは北イスラエルとアラムを撃破しましたが、このことは、やがて、アッシリア軍がユダにも侵攻してゆきます。こうした国の状況下で、イザヤは、神様の真の救いのご計画と神の御意志を伝えます。イザヤが伝える神のみ旨は、ユダ王国が真に神様の祝福を得るためのものでした。
神様の人に向かう姿勢は、このような国と国との緊張関係の中にあっても、また、私たちの日常生活の中にあっても全く変わりません。神様の御思いはどのような時であっても、人を滅ぼそうとして事を起こすのでなく、滅びから救うために悔い改めに導くことにあることを深く心に留める必要があります。

救いのしるしである「みどりご」の名前
 9章4節で、救い主が与えられるそのしるしは「みどりご」であると書かれています。イザヤにはその時すでに、「シャル・ヤシブ」(7:3)という子どもがいましたが、名前の意味は、「残る者は帰り来るであろう」という意味でした。それから100年ほどして、南ユダは、バビロンに捕囚されますが、この子どもの名前は捕囚後再びエルサレムに帰ってくることを意味しています。
イザヤが7章14-16節の預言後2人目の子どもが与えられます。その名前は「マヘル・シャラル・ハシ・バズ」と名付けられました。この名前の意味は、「略奪者が急いで来る」という意味で、「その子が悪を退けて善を選ぶことを知る前に」アハズが今恐れているアラムと北イスラエルの王は敗北するという意味です。アハズ王はイザヤの預言を信じるよりも、アッシリアの力を依り頼みましたが、預言どおり、アラムと北イスラエルはアッシリアに退廃を帰しました。けれど、遠大に続く神の御計画は確実に成就して、それから700年後、真のメシアは地上に来られました。それが2000前のクリスマスです。
イザヤ書7章14節ではその子の名は「インマヌエルと呼ぶ」と書かれていますが、その意味は「神が共におられる」で、神が共におられるところに真の勝利があることを聖書は証しています。

さらに、9章6節では、「その名は『不思議な助言者、力ある神、永遠の父、平和の君』と呼ばれる」(6)と書かれています。「不思議な助言者」は、「並みはずれた、驚くべき、人間の考えをはるかに越えたみわざをなす助言者」であり、「助言者の脅威」とも訳せることばです。英語では「Wonderful Counselor」、キリストの霊である聖霊の導きに従ってゆくところに、真の勝利が待っています。また、「力ある神」は、神の働きの実行力を暗示しています。7節には「万軍の主の熱心がこれを成し遂げる。」と記されています。
「永遠の父」。人間の父はいつか亡くなりますが、父なる神は永遠です。「平和の君」。7節には、「その平和は限りなく、ダビデの王座に着いて、その王国を治め、さばきと正義によってこれを堅く立て、これを支える」と書かれています。これは地上における千年王国を治める王として、そこで実現する限りない祝福の総称としての平和をもたらす方であることを意味しています。クリスマスの預言が成就したことは、永遠から永遠にすべ治められる全知全能なる神の主権のめぐみに私たちのような者も与る者とされたことを意味しています。

補足ですが、イザヤと同時代に預言活動していたミカもまた、イスラエルの罪を糾弾し、その滅亡を予告しつつ、主のさばきはユダにも及ぶと告げ(1)、救い主の誕生は「ベツレヘム・エフラテ」であると予告した通りにキリストは誕生しました。

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