11月13日礼拝メッセージ

「時のしるし」

 ー マルコの福音書に学ぶ⑳ー

聖書:マルコの福音書13章1-8節(新p95)

メッセンジャー:高江洲伸子師

十字架の死が直前に迫ってきている中で語られた終末の教えです。春に小さな種が発芽し、段々と葉が茂り始め、夏には花をつけ、秋に実を結んでいた草花も、冬を前にして日に日に葉を落としていく様子を目にしています。私たちの住んでいる世界は、平凡な、毎日の繰り返しで、何も変わっていないように見えていても、この世界にもやがて「終末」と言う時が訪れることをイエス様は弟子たちに教えられました。
ウェスレアン聖書注解は<13章は「小さな黙示録」とも呼ばれている。「黙示」は「啓示」を表す。また、字義通りには、「おおいをとること」を意味す
る。隠されていた真理が今おおいを取られたものになった。>と記しています。

神殿崩壊の預言(1,2)
イエスが神殿を出ていかれると、弟子の一人が、ヘロデ王が建てた壮麗な第二神殿(第一はソロモン王の建てた神殿として)の建物を見て感嘆して、『先生、ご覧ください、なんとすばらしい石、なんとすばらしい建物でしょう。』(1) と、言いましたが、イエス様はここで、「この大きな建物を見ているのですか。ここで、どの石も崩されずに、ほかの石の上に残ることは決してありません。」(2)と、神殿崩壊の預言をされました。この預言は現実となり、西暦70年にローマ軍がエルサレムに侵攻したことによりエルサレム神殿は崩壊。現在は嘆きの壁と呼ばれる一部分だけが残されています。

終りに近づくときのしるし(3-8)
続いてイエス様は、神殿の東側にあるオリーブ山に移られ、神殿を遠目に見ながら、弟子たちの質問に答えて次の様にお話しされています。
「お話しください。いつ、そのようなことが起こるのですか。また。それらがすべて終わりに近づくときのしるしは、どのようなものですか。」(2)と事の詳細を尋ねる弟子。「人に惑わされないように気をつけなさい」(5)「わたしの名を名乗る者が大勢現れ、『私こそ、その者だ』と言って、多くの人を惑わします。」(6) と返答される主イエス。  これは、偽キリストの出現の予告です。21,22節にもでてきます。現在、新聞やテレビのニュースで統一協会問題がとり上げられないことはありません。日本の政治が揺れているのが現状です。統一協会は、文鮮明が「私が再臨のキリストである」とそれを関連づける原理講論を書き、多くの人がその教えに惑わされています。キリスト教の異端は聖書と副読本があるのが特徴です。聖書を手にして「私はクリスチャンです」と言いながら、副読本を通して、実は真理はこちらにあると、巧に聖書の真理(十字架)から人を離してゆき、聖書を利用して新宗教を作ります。モルモン教にはモルモン経典、エホバの証人には「もろみの塔」誌があります。また、普通のキリスト教の様に思えても、過剰に人が崇められていたり、新しい教理を説いているならば注意しなければなりません。今の時代でしたら、インターネットを通して入ってくることもあるので注意が要ります。けれど、こうした人たちや情報が、世間の話題を占めても驚くには価しません。それらはあらかじめキリストによって預言されていたことだったからです。

更にイエス様は、終わりの時のしるしに、「戦争や戦争のうわさを聞いても、うろたえてはいけません。そういうことは必ず起こりますが、まだ終わりではありません。」(7)、「民族は民族に、国は国に敵対して立ち上がり、あちらこちらで地震があり、飢饉も起こるからです。」(8)と言われています。現代はまさに、「戦争や戦争のうわさ」「地震」「飢饉」の情報で溢れています。けれどイエス様は、「これらのことは産みの苦しみの始まりです。」(8)と仰られました。陣痛は出産の前触れですが、今はまさにその時代と言えます。ですから、情報やうわさを聞いても、イエスが仰られたように「うろたえない」「惑わされない」ことです。同時に、終わりの時代に生きていることの認識を新たにし、キリスト者として身を引き締めて、信仰の備えをしてゆくことが非常に大切です。

 福音が宣べ伝えられること(10)、聖霊に導かれる日々を過ごしていること(11)、忍耐を養うこと(13)、本物を見極める目(力)を養うこと(21,22)、など、日頃から主の御手の中で訓育されつつ、信仰の備えをしてゆくことがとても大切です。丁度、妊婦が出産に備えるように、終わりに時に備えられますように。

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