8月3日 礼拝メッセージ

メッセージ 『カナの婚宴』-水がぶどう酒に変わる時-

聖書 ヨハネの福音書 2章1-11節(新p178)

メッセンジャー 高江洲伸子牧師

イエス・キリストは、ガリラヤのカナの婚宴で、最初の奇跡を行われました。旧約聖書もアダム・エバ夫妻の出会いと家庭生活から始まっています。結婚、家庭生活は神が祝福される場所です。けれども、ぶどう酒が尽きるように、いつしか喜びがなくなり、人生が色あせてゆくことがあります。しかし、カナの婚礼でイエス・キリストが、水をぶどう酒に変えられたことは、たとえ、人生の失意落胆の時を迎えても、神の力が働かれるときに、大いなる祝福と喜びが増し加えられるという一つのしるしです。

2通りの祈り
カナの婚宴の接待を任されていたイエスの母マリアは、婚礼の席でぶどう酒がつきるという、不足の事態を迎えて、迷うことなく、「イエスに向かって、『ぶどう酒がありません』」(3)とその状態を告げました。これは、マリアの祈りです。
イエス・キリストの弟子たちは、キリストのもとに来ていた大勢の群衆の夕食をどうすれば良いかと困った時(マルコの福音書6章36節)、彼らは考えた末、「周りの里や村に行って、自分たちで食べ物を買う」ために「皆を解散させてください」、と、イエスに言いました。これが弟子たちの祈りでした。
マリアは、水がぶどう酒に変わる奇跡を期待したわけではありませんでしたが、イエスは何とかしてくださるお方であると信じていたのです。人々を解散させてくださいとキリストに告げた弟子たちは、自分たちの計画、自分たちの心に従うところの祈りです。ここに2通りの祈りがあることを知ることができます。

信仰と神の時
では、マリアから「ぶどう酒がありません」と告げられたイエス・キリストはどのように対応されたのでしょうか。イエスは、「わたしの時はまだ来ていません」(4)と答えられただけでした。確かに、この時はまだ神の導きを受けておられなかったのでそのようにおっしゃられました。また、その言葉はマリアの求めを拒絶していることばでもありました。けれど、マリアは、イエス様は必ずなんとかしてくださる、と、信じることをやめなかったのです。そして、拒絶のことばを受けながらも、主がお働きくださるのを待ったのです。しかも、主が働きくださる時のために備えて、給仕する僕たちに、「あの方が言われることは、何でもしてください」(5)と告げるのです。
このような、信仰の備えのあるところに主のことばが臨む時、奇跡は起こります。イエス・キリストはマリアのその信仰に応えて、「給仕の者たちに言われた。『水がめを水でいっぱいにしなさい。』彼らは水がめを縁までいっぱいにした。」(7)。マリアのことばに勝手な解釈を加えることなく、真っすぐに受け止め、待機していた僕たちは、イエス・キリストが言われるまま、ただ、忠実に、言われた通りに、水がめの縁までいっぱいに水を満たしたのでした。BFバクストン師は書いています。「信仰の働きは第一に服従です。主に従わなければ恵みを受けることはできません。私たちの信仰は、たびたび主を自分に従わせることになっていませんか。自分の心に神を従わせることになっていないでしょうか。どうかこれについて考えてみてください。」(著作集7p67)

渇きと満たし
「イエスは彼らに言われた。『さあ、それを汲んで、宴会の世話役のところに持って行きなさい。』彼らは持って行った」(8)。僕たちは、マリアに言われた通りに、忠実にイエスのことばに従い、いま汲んだばかりの水を宴会の世話役に渡しました。彼らはただ、忠実にその命令に従っただけでした。彼らにとっては、それが水であるか、ぶどう酒であったか、ということ以上に、主人の言われることに忠実に水を汲み世話役に渡すことが彼らのしなければならない働きだったのです。彼らがただ成すべき分を果たした時、そこに、主の祝福が加わり、水はぶどう酒に変わったのです。「伝道も同じで、私たちがこの僕のように、信仰をもって働くならば、伝道の愚かさをもって人間の渇きを満たすことができます。(Ⅰコリント1:21)」と、バックストンは言っています。
私たちの周りにもまた渇いている多くの人々がたくさんいます。喜びの盃であるぶどう酒が尽きた人たちです。私たちはその人たちにもイエス・キリストによる新しいぶどう酒を届けることができます。美味しい食べ物や知恵や娯楽をもって喜びの尽きた人たちを補ってあげたいと思ったりするでしょう。けれども、人生の渇きを真に満たすことができるものは天からのワインでしかできません。それは、婚宴の僕たちのように、主人の思いと一つとなり、主人の語られることばに忠実に仕えることができる主のしもべでなければなすことのできない働きです。「水を汲んだしもべたちは知っていた」。忠実に主のことばに従った人は、その事を知ることができるのです。

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