6月22日 礼拝メッセージ

メッセージ 『生きることはキリスト』

聖書 ピリピ人への手紙 1章20-26節(新p395)

メッセンジャー 高江洲伸子牧師

牢獄という悪環境の中でむしろ福音は前進しました。その背後に聖霊の助けによる教会の熱心な祈りがありました。続いて、この厳しい環境の中で福音を前進させた原動力を知りましょう。

Ⅰ キリストがあがめられる(20)
 どんなに厳しい環境であっても、福音を前進させた動力はパウロの内にあった燃えるような願望でした。その願望とは、どういう場合にも恥じることなく、「キリストがあがめられること」(20)でした。パウロを通して、キリストが誰の目にも大きく映し出される。ここで用いられている「あがめる」という言葉は「拡大する」という意味です。虫眼鏡や拡大鏡で小さいものが大きく見えるように、パウロという人物とその生涯を通して、イエス・キリストがハッキリと大きく、公然と見えるようになることがパウロの願望だったのです。
 では、どのようにしてキリストがあがめられたのでしょう。それは、「どんな場合にも恥じることなく、今もいつものように」(20)大胆に語ることによってでした。恥じることなく、大胆にキリストを語る、これは私たちにとっても、大きな挑戦です。

Ⅱ 生きることはキリスト(21)
 では、キリストを鮮明に拡大させる秘訣とは何でしょうか。それは、「わたしにとって生きることはキリスト、死ぬことは益です」(21)との内面のキリスト体験でした。この一句は一章全体の鍵のことばであり、ピリピ書全体の金言と言えます。生きることはキリスト!パウロの内にキリストが生きておられるのです。キリストは彼の生命そのものとなられました。古いパウロはキリストと共に十字架につけられ死んで、彼の内に生きているのはキリストなのです。
 
 死ぬことは益!まず、霊的に見ても死は「益」でした。実際古い自我性が死ぬほどの福音はありません。例えば、お酒を飲む自由はあっても、止める自由がありません。古い己は難行苦行によって決して殺せるものではありません。何かというと鎌首を上げ、自分や周囲を悩ますのが古き自我性です。しかしこの己がキリストと共に死に、内にキリストが生きてくださるとは何と言う益でしょうか。
 死ぬことは益!それはまた肉体的死を意味します。死によってもたらされる永遠の命、み国の輝き、目の当たりにキリストを見ること、そのことを思うと死は益であり、大儲けだと言うのです。死によって一切を失うのではなく、死によって一切を得るというのです。
ローマ人への手紙6章11節「同じように、あなたがたもキリスト・イエスにあって、自分は罪に対して死んだ者であり、神に対して生きている者だと、認めなさい。」(11)とパウロは言っています。ここでの「認めなさい」は、「計算する」または、「計算した結果、評価し、見積もる」という意味があります。古い自分がキリストの十字架で共に死んでいること、そして、復活のキリストと共に生きていることを計算してみると、私たちは今、キリストの十字架を信じて受け入れた信仰によって一度一切を失って0になったものの、復活されたキリストによって、全てのものをもっている者であること計算しなさいと言うのです。まさに、生きることはキリスト、死ぬことは益!なのです。

Ⅲ 生と死の板挟み(22-26)
 使徒パウロはさらに輝かしい死生観を発展させ、驚くべき輝きに満ちた生と死の板挟みを証ししています。生きることもすばらしい。死ぬことこともすばらしい。この二つのすばらしさの板挟みにあってどちらを選んでよいか分からないと叫ぶのです。
 一つは死のもたらすすばらしさ。それはこの世を去ってキリストと共にいることです。パウロにとって死は恐怖や苦痛や暗黒ではなく、輝きと喜びと希望そのものだったのです。もう一つの選択は、肉体に留まり、実り多い働きをすることです。生きることが実りであり、しかもその実りは豊かだというのです。しかし、パウロ自身は個人的には、この世を去ってキリストと共にいることの方がはるかに望ましいと打ち明けるのです。それは彼の本音です。しかしパウロは、「わたしの願い」を放棄し、「あなたがたのためには」と、自分の願望の視点から兄弟姉妹の必要の視点に移すのです。パウロの選択の中にあったのは、自分の願いでなく、主と教会の必要に対する熱い思いだけだったのです。
彼は牢獄からの解放を確信し、ピリピ教会の信仰の増進と喜びを求めます。彼の帰還はピりピ教会にとってキリスト・イエスにある誇りを増すことになるというのです(26)。

生きることはキリスト!わが生命なるキリスト!このお方こそは宣教の動力です。また輝かしい死生観の秘訣です。キリストに生き、キリストがあがめられる生涯とされますように。

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