2月23日予算総会礼拝メッセージ

『主を喜ぶことはあなたがたの力です』

聖書:ネヘミヤ記8章1-10節(旧p846)

メッセンジャー:高江洲伸子師

2025年度予算総会を迎えるに至りました。教会方針は、「聖別と奉仕」から「神を喜ぶ」に変わります。実は、2024年度目標と25年度目標は繋がっています。真の喜びは、聖別された心に臨むものだからです。
たとえば、「いつも喜んでいなさい」(Ⅰテサロニケ5:16)の「喜び」について、いつも喜んでいることが本当にできるでしょうか。使徒パウロは、ローマの獄中から手紙を書く中で、「いつも主にあって喜びなさい。もう一度言います。喜びなさい。」(ピりピ4:4)と、殉教を前にして、さいごのさいごまで喜びの勧めをするのです。神の喜びは獄中であっても消えることがないからです。
 
 エズラ記とネヘミヤ記は一つの書物としても読める箇所で、バビロン捕囚から解放されエルサレムが神の都として再建されてゆく様が記されています。バビロン捕囚がなぜおこったかと言えば、それは、イスラエルの民の神様への不誠実、不信仰のゆえの裁きでもありましたが、神様からの愛のこらしめでもありました。70年の捕囚が解かれて、母国に帰ってきた人たちや、エルサレムに残留していた人たちが、力を合わせて都が再建されてゆく中で、エズラ記にはエルサレム神殿の再建の様子、ネヘミヤ記ではエルサレムを囲む城壁が再建されてゆく様が記されています。
 王の献酌官であったネヘミヤは、ある時、捕囚期間は終えても、都エルサレムが荒廃している様を耳にします。「・・・エルサレムの城壁は崩され、その門は火で焼き払われたまま」(1:3)。神を信じ、故郷を愛するネヘミヤは、直ちに王の支援を得てエルサレムに行き、城壁の再建に取り掛かります。都の再建の為には、まず外敵が侵入してこないようにしなければなりません。城壁の修復はそのためのものでした。それはまた、イスラエルの民が再び立て直される工事でもあったのです。民は外敵から守られる中で安心して旧約聖書の教えを学び、礼拝をささげることができます。そうして、一層神の民として自覚を新しくして国を復興してゆくことができるからです。
 特に当時(旧約聖書では)宣教の中心はエルサレムにありましたから、エルサレムに帰還した人たちは、民族に与えられた神様からの特別な使命を、引き継がなければなりません。エルサレムに帰還したネヘミヤは、神様に力づけられながら民を励まし力づけ荒れ果てていたエルサレムの城壁再建にかかりつつ、信仰の祭壇を築き直していったのです。
 反対や陰謀にも遭遇しています(4章8~10節)。6章9節ではおどしに遭い工事は一旦ストップ致します。こうした中で、神様の目的は人々を神の民として立て直すことでした。
 8章で祭司であり学者であったエズラは、「聞いて理解できる人たちすべてからなる会衆の前」(8:2)で半日間律法を読み続けました。6節に、「エズラが大いなる神、主をほめたたえると、民はみな両手を上げながら、『アーメン、アーメン』と答え、ひざまずき、顔を地に伏せて主を礼拝した。」と記されています。9節では、総督ネヘミヤと祭司エズラ及びレビ人たちは、民全体に向かって、「今日は、あなたがたの神、主にとって聖なる日である。悲しんではならない。泣いてはならない。」と語り、民が律法のことばを聞くときに、「みな泣いていたからである。」とも書かれています。民は本当にみことばに心打たれ、神を崇めたのです。そして、「今日は、私たちにとって聖なる日である。悲しんではならない。主を喜ぶことは、あなたがたの力だからだ。」(10)と,民に宣言するのです。12節では、「こうして、民はみな帰って行き、食べたり飲んだり、ごちそうを贈ったりして、大いに喜んだ。教えられたことを理解したからである。」と記されています。
 今、私たちはどうでしょう。罪の奴隷から解放してくださった主イエスの十字架と復活の救いを喜んでいるでしょうか。これは、旧約での救済に勝る大いなく救いですが、本当にこのことを理解して、喜んでいるのでしょうか。ネヘ
ミヤの時代においても、みことばが理解できたときに民は喜びの会食がなされました。私たちもまた、神のことばに触れた時に本当の喜びが注がれます。神のことばに応答してゆく人生こそが神の民に供えられた喜びの宴の生涯の歩みです。
 塩狩峠の主人公の信夫のお母さんのキリスト教との出会いの記事に耳を傾けてください。信夫のお母さんアは道徳的にすばらしい人をみてクリスチャンになったのではなく、糞尿がかけられても賛美している姿に心が捕らえられたのでした。人々の関心は、事の良しあし以上に、どのようにして苦しみの中でも喜びと力をみいだしているかが見たいのです。その人の中から出ている真の喜びこそが人々の心をとらえることを、塩狩峠の信夫の母が見た伝道者の姿は証ししているのです。
 2025年度、私たちもまた、主を喜ぶことから始めさせて頂こうではありませんか。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次