12月8日第二アドベント礼拝メッセージ

『星に導かれた博士たち』

聖書:マタイの福音書2章1-12節(新p2)

メッセンジャー:高江洲伸子師

人生は出会いによって決まると言われます、人との出会いだけでなく、神との不思議な出会いで、私たちの人生と永遠は決定されます。第二アドベント礼拝では、東方の博士たちと主イエスとの出会いから、出会いを導かれている神様の存在に心を深く留めましょう。
Ⅰ 星の出現
 聖書に「二重の捜索劇」があるとポーロ・リースは言いました。まず、天地創造が成された旧約聖書の冒頭、最初に造られたアダムとエバ夫妻が罪を犯し、神を恐れて身を隠していた時のこと。神は「あなたはどこにいるのか」と呼びかけ彼らを捜しました。次に、新約聖書の冒頭、御子の誕生を確信した東方の博士たちが、はるばる外国から隊を連ねて、「王としてお生まれになった方は、どこにおられますか。」(マタイ2:2)と言って御子を捜し求めて来たことです。ここに二つの捜索劇があります。神が人を捜し、人が神を捜し求めているのです。
 この時の博士たちは、当時の占星術師で人の運命を占う専門家でもありました。現代においては天文学者に相当する天体の専門家でもあります。彼らは救い主が出現する時には、特別の星が現われるという(民数記24章7節)ユダヤの言い伝えを知っていて、星の観察中にこの星の出現を発見したのです。そこで、はるばる東方の国から隊商を連ねてユダヤの宮殿を訪ねることにしたのでした。真実を求めて止まない真の学者魂をこの博士たちに見ることができます。
Ⅱ 星に導かれて
東方の博士たちは、おそらくバビロニア(現代のイラクの南部方面)から来た人たちと思われています。特別な光を放つ星の出現を見た彼らは「ヤコブから一つの星が進み出る。…ヤコブから出る者が治め、、、」(民数記24:17,19)この聖書の言葉を知っていて、学者らしい探求心をもって、その星の言い伝えの真実を知ろうと、危険、疲労、不安を乗り越えて、外国へ旅立ったことでしょう。
 新しい王の誕生は当然エルサレム宮殿にいるとものと思いヘロデの宮殿を訪ねましたが、彼らの来訪を受けたその時のヘロデ王の心情は決して穏やかではありあません。「これを聞いてヘロデ王は動揺した。エルサレム中の人々も王と同じであった。」(3)とマタイは書いています。エドム人の血の混ざっているヘロデは自分の地位を脅かす新しい王の出現に不安と脅威を感じながら、「行って幼子について詳しく調べ、見つけたら知らせてもらいたい。私も行って拝むから」と言って博士たちを送りだしたでした。
私たちもまた、自らの中にキリストを新しい王として迎え入れる時、古き自我である王は黙っていません。私たちキリスト者の内にもまた、王なるヘロデの思いと王なるキリストの思い、この二人の王が君臨していて、自分の王座を創造者である真の王キリストに明け渡すには常に葛藤が伴います。洗礼は受けていても、キリストの弟子、キリストの僕、キリストのものとされない、心の奥に潜むヘロデ王の心と変わらない王なる自分との葛藤です。祭司たちもまた同様に、キリスト生誕の預言も全て知っていながらも、彼らもまた、王なるキリストを礼拝に行こうとは致しません。ところが、博士たちの求道心はどうでしょうか。彼らは星の出現を見るや否や、困難な旅路であることを意図もせず、星の導きを信じて、旅中命を落とすかもしれない旅へと大胆に出発したのです。
Ⅲ 星を見た時の不思議な喜び
 彼らがヘロデの宮殿を一歩出るや否や、「かつて昇るのを見たあの星が、彼らの先に立って進み、ついに幼子のいるところまで来て、その上にとどまった。」(9)。博士たちは「その星を見て、非常な喜びにあふれた。」(10口語)のでした。キリストに出会った者限定の不思議な喜びです。博士たちは、「家に入り、母マリアとともにいる幼子を見、平伏して礼拝した、そして宝の箱を開けて、黄金、乳香、没薬を贈り物として献げた」(11)。喜びに包まれた心からの礼拝です。礼拝とは、救い主に出会い、喜びに溢れることです。キリストご自身を礼拝することです。彼らがささげた黄金は王を、乳香は祭司、没薬は死を意味しています。彼らはキリストを真の王として敬い、真の祭司として受け入れ、キリストを人類の贖罪者として認めていたことを表わしています。礼拝後、「彼らは夢で、ヘロデのところへ戻らないようにと警告されたので、別の道から自分の国に帰って行った。」(12)のでした。ヘロデの妬みから彼らは守られ、無事故国に帰ることができました。今も星ならぬ聖霊は私たちの人生を生き生きと導かれます。聖霊の導きの中にあると、博士らが星を見た時と同じ平安と喜びが行く道を照らして導かれてゆきます。   <参考図書 工藤弘雄著「はるかに救い主を求めて」>

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