7月28日礼拝メッセージ

『愛と贖い』 

聖書 :イザヤ書43章1-4節(旧p1237)

メッセンジャー:高江洲伸子師

世界の人口は5月で81億に達しました。日本の人口は約1億2000万人。その中で、昨年度の自殺者は警察庁と厚生労働省の統計で21,837人でした。毎日59人が自ら命を絶ったことになります。自殺未遂の人はその10倍と推定されますから、1日590人ほどの人が、自らの人生に終止符を打とうとしていることになります。信じられない統計です。81億人中、果たしてどれくらいの人が生きる本当の意味を知り、また目的を知って、生きていることでしょう。

神に創造された人間
旧約聖書イザヤ書43:7に、「わたしの名で呼ばれるすべての者は、わたしの栄光のために、わたしがこれを創造した。」と書かれています。創世記1章27節では、「神は人をご自身のかたちとして創造された。神のかたちとして人を創造し、男と女に彼らを創造された。」とも書かれています。聖書には人は神の栄光のために造られたと記されています。人を造られた神は、終始一貫、「私の目には、あなたは高価で尊い。わたしはあなたを愛している。」(イザヤ43:4)とみ言葉を通して呼び掛けています。

歴史と神のことば
History(歴史)はHis(彼の)story(物語)と書きます。Hisとはイエス・キリストのことです。西暦のBCは、Befor Christの略で、イエス・キリスト誕生以前と誕生後に分けて私たちは世界の歴史を学んでいることになります。(ADはAnno Domini ラテン語で 「主の年に」)
今日のテキストのイザヤ書は、紀元前8世紀頃にイスラエルの国で活躍していた預言者イザヤによって書かれました。「アモツの子イザヤの幻。これが彼がユダとエルサレムについて、ユダの王ウジヤ、ヨタム、アハズ、ヒゼキヤの時代に見たものである。」(イザヤ1:1)。つまり、イザヤ書は、イザヤがユダとエルサレムについて、見た幻が記されているということです。「幻」は「啓示」とも訳され、「啓示」には「見る」「注視する」「仰ぎ見る」という意味もあります。イザヤは霊的な目線で見たことを語ったのですが、彼が見た「幻」また「啓示」の中には、歴史の中で起こったことと、まだ実現していないこと、これから起こることが含まれています。
イザヤが生存していた時代、イスラエルの国は南北に分裂し、かつてのダビデ・ソロモン王の時代のような繁栄と隆盛は失われていました。北にはアッシリア帝国、南にはエジプト王朝、東にはバビロン王国そしてさらに東には後の時代に世界制覇をなしとげることになる新興勢力ペルシャが控えていました。小国イスラエルはこのような巨大な軍事力を誇る国々に取り囲まれて、それらの国々の脅威に恐々としている状態でした。そのような中で、紀元前722年北イスラエルはアッシリヤ帝国によって滅ぼされ、南のユダ王国だけ残っていたのです。けれどもその南ユダ王国もやがてバビロン軍の侵攻によってBC586年に都エルサレムが陥落し、民はバビロン王国に奴隷として連行されてゆくという過酷な運命の中にありました。国全体は疲弊し、絶望のどん底に入れられます。神様は主の預言者を通して、慰めと回復のメッセ-ジを与え続けておられたのです。

神に愛されているイスラエル
「恐れるな。わたしがあなたを贖ったからだ。わたしはあなたの名を呼んだ。あなた、はわたしのもの。」(43:1) 神政イスラエルが、神様から祝福を失った原因は高ぶりや偶像礼拝にありました。神への背きと不信仰の実として刈り取ったのがバビロン捕囚です。イザヤはバビロンに捕囚民として連れてゆかれるだろうことを神から知らされていました。しかし、その時も神の愛は決して変わらないこともまた神様から告げられていて、力強く語り続けています。「恐れるな」「わたしがあなたを贖った」「あなたは、わたしのもの」「わたしはあなたを愛している」と。
この呼びかけは、み子イエス・キリストを通して今も私たちに向かって語り続けられています。「贖い」という言葉は、「代価を支払って奴隷を買い戻し、解放する」という意味がありますが、紀元前イスラエルは不信仰の報酬としてバビロンの奴隷とされましたが、聖書は、「すべての人は罪を犯して、神の栄光を受けることができず、」(ロマ3:23)と言っています。捕囚民とされたイスラエルの為に神様は時満ちてペルシャを起こし、バビロンの奴隷のくびきから彼らを解放されましたが、罪の奴隷とされている全ての人類の為に、時満ちて御子を地上に送って下さり、御子の命の代価をもって、罪に支配されている人間を贖い出してくださったのです。イザヤは「ひとりのみどりごが私たたちのために生まれる」(イザヤ9:6)と、キリスト降誕約700年前に預言していました。そして預言通りにAD1年、神は一人子イエス・キリストをこの世送られて、人間が神のもとに帰る確かな道を備えられました。神様はイスラエルという民を通して、人類に与えられる遠大な救いのご計画を啓示されたのでした。それは、最初の人アダムとエバが神の御声に背き、サタンの誘惑に惹かれて行った時からすでにご計画して下さっていた救いのご計画だったのです。それは御子のいのちと引き替えに、罪が赦され、新しい神の命に生きるというご計画だったのです。

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