『あなたは、わたしに従いなさい』
聖書:ヨハネの福音書21章15-23節(新p230)
メッセンジャー:高江洲伸子師
復活されたイエス・キリストは再びご自身をガリラヤで現わされ、量を終えた弟子たちとともに食事をされました。
ペテロの召命
食事の後、イエス様はペテロに言われました。「ヨハネの子シモン。あなたは、この人たちが愛する以上に、わたしを愛していますか。」(15)。一度ならず、三度もされたのです。なぜ三度でしょう。ペテロはイエス様が捕らえられたとき大祭司の庭で、イエス様を「知らない」と三度否定したのを主はご存じだったからです。この三度の問いかけはペテロの心の闇を露出し、彼の深い痛みに触れるものでした(17)。十字架を前にして逃げ出した自分を思えば、今どんなに主を愛していても、「あなたはすべてをご存じです」としか答えられません。かつて、「他の誰よりもあなたを愛します」と力んでいた剛勇無双なペテロ(ルカ22:32,33)ではありませんでした。その自分の弱さを知ったペテロに主イエスは、「私の羊を飼いなさい」と、ご自分の命で贖われた大切な神の羊の群れをお任せされたのです。
神の子らがみ旨に沿うことができる者とされる為に、神様は環境を用いて、(失敗をも用いて)新たに造り変えられてゆきます。ペテロがキリストの弟子として、的の合った神の働き人とされる為に、イエス様は、どれほどの忍耐が必要だったことでしょう。私たち一人一人もまた、そのように神の子として育てられています。
神の子らが信仰が回復されてゆく背後には、あつい執り成しの祈りがあります。ルカの福音書22章32節でイエス様は、「しかし、わたしはあなたのために、あなたの信仰がなくならないように祈りました。ですから、あなたは立ち直ったら、兄弟たちを力づけてやりなさい」と言われています。新約の教会の(群れ)のを牧する者として立てれたペテロは、当時迫害の嵐の真っただ中にあったローマに赴き、兄弟姉妹を励まし、主の栄光を現わし最後は殉教したと伝えられています。。主は、今も、わたしたち一人一人の為に、御父の傍らにあって、わたしたちが真に神のみ旨を行う者とされるようにと、執り成しの祈りをしてくださっています。
比較でなく
復活の主は、ペテロの召命を更新されました。そしてその行く末は、「ほかの人があなたに帯をして、望まないところに連れてゆきます。」と予告され、「わたしに従いなさい」(19)とみ声をかけられました。この時ペテロの目(心)に入ってきたものは、苦しみの予測でも、栄光ある弟子生涯の終わりでもなく、そこにいた弟子仲間のヨハネだったのです。ペテロはヨハネをさして、「この人はどうなのですか」とイエス様に尋ねました。すると主は「わたしが来るときまで彼が生きるように、わたしが望んだとしても、あなたに何の関わりがありますか。あなたは、わたしに従いなさい。」(22)と答えられたのでした。わたしたちが主に従いゆくときの最も大きな妨げをここに見ることができます。