12月24日クリスマス礼拝メッセージ

「羊飼いのクリスマス」

聖書:ルカの福音書2章8-20節(新p110)

メッセンジャー:高江洲伸子師

「そのころ、全世界の住民登録をせよという勅令が、皇帝アウグストゥスからでた」(ルカ2:1)。クリスマスになると心に浮かばれる聖書箇所です。今から2000年前、当時の最高権力者であったローマ皇帝アウグストゥスが「人口調査をせよ」とひとこと言ったことにより、ローマから2400キロも離れていた、ユダヤの片田舎のナザレに住んでいた若い夫婦が、先祖ダビデの出身地であったベツレヘムまで住民登録の為に出かけて行かけてゆくことになりました。奥さんのマリアさんは臨月を迎えていて、旅先のベツレヘムでのご出産になりました。
ローマの初代皇帝アウグストゥスはイスラエルを治める新しい王が誕生することが預言されていたことなど、何も知らないままご自分が統治する全ての人を対象に、「人口調査をせよ」と布告したことでしょう。けれど、そのとき発したひとことによって、そこから遡ること700年も前に生存していた預言者ミカが、「ベツレヘム・エフラテよ、あなたはユダの氏族の中で、あまりにも小さい。だが、あなたからわたしのためにイスラエルを治める者が出る。その出現は永遠の昔から定まっている」(ミカ5:2)と預言されていたことが現実に起こり、御子イエス・キリストはベツレヘムでお誕生されることになったのでした。こうしたことを通しても、今私たちが目にしている世界は一部分でしかなく、この世界を始められたお方がおられて、そのお方によって全世界は導かれてきていて、今があることを知ることができます。

この新たな世界の幕開けを告げるメシア誕生のグッドニュースは、野原で羊を飼っていた羊飼いたちに第一声が届けられました。「恐れることはありません。見なさい。私は、この民全体に与えられる大きな喜びを告げます。今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになりました。この方こそ主キリストです。あなたがたは、布にくるまって飼葉桶に寝ているみどりごを見つけます。それがあなたがたのためのしるしです。」(ルカ2:10-12)と、天使は言っています。
➀「恐れることはありません」この言葉で突然の天使の出現に、彼らがどんなに驚いたかを知ることができます。「臨在は救い」です。主の臨在はまさに人生のサプライズです。主と共に生きる人の日々は聖なる恐れと感動に満ちています。
②「今日」は2023年クリスマスイブですが、今日の為に様々な準備がなされ、一日一日の積み重ねの中での「今」ですが、これで終わったのではなく、明日があり、来年があります。「今」もまた、未来への単なる通過点に過ぎません。「今」を捕らえないことには、未来に対して何も残すことはできません。「今」を大切にすることによって、「今」は良い過去ともなります。聖書は言っています。「見よ、今は恵みの時、今は救いの日です」(Ⅱコリント6:2)と。
➂「あなたがたのために救い主がお生まれになりました」全世界の人たちに向かってのメッセージですが、聖書はいつも「わたしの目には、あなたは高価で尊い」(イザヤ43: )と、一人一人に向かって語られています。救い主は「あなたのために」お生まれになりました。
④「この方こそ主キリストです。あなたがたは、布にくるまって飼葉桶に寝ているみどりごを見つけます。それがあなたがたのしるしです。」羊飼いは、当時の社会では最も貧しく卑しいとされていました。もし、御子が宮殿や高級宿でお生まれになっていたら、彼らはそこに入ることも、救い主にお会いすることもできなかったでしょう。けれど、神様は、どのような人でも探しさえすればお会いできるようにこの世に来てくださいました。(使徒17:27) 神にお会いできる道はただ一つです、自分の小ささ、また卑しさを知り、認め、謙る道です。当時の最高学府で律法を学んでいたパウロはキリストに出会って、「この世の取るに足りない者や見下されている者、すなわち無に等しい者を神は選ばれたのです。」(Ⅰコリント1:28)と自らの卑小さを認めて言っています。実に神は高ぶる者を退け、謙る者に恵みを賜うお方なのです。救い主の「しるし」は金のゆりかごでなく、「飼葉桶に寝ているみどりご」だったのです。私たちが自分自身の最も卑しく汚れたところをキリストの前に差し出すとき、キリストは全ての「罪、罪の呪い、良心の呵責、死と恐怖」から解放して下さいます。「飼葉桶の救い主」は、貧困と謙遜と日ごとの糧を象徴しています。

羊飼いたちはおびただしい数の天の軍勢が「神に栄光、地に平和」(14)と、神を賛美する光景を目撃します。現在の世界情勢は危うさに満ちていますが、みこころにかなう人々に平和は訪れるのです。

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