7月2日礼拝メッセージ

「教会の奉仕者」

-エペソ人への手紙(8)-

聖書:エペソ人への手紙4章7-16節(新p388)

メッセンジャー:高江洲伸子師

イエス・キリストの十字架と復活、そして昇天された後。キリストは、キリストのからだである教会の成長のために奉仕者を定められました。まず使徒、預言者、伝道者です。この人たちの役割は、初期の教会建設の奉仕であり、教会の「土台」とみなされるもの(2:20)です。次に教会に与えられた奉仕者は、牧師、教師です。牧師の働きは、文字通り羊飼いの働きをそのまま教会の情況に当てはめたもので、羊飼いが羊の群れを導き、養い、育てるように、牧師は教会のメンバーをみ言葉によって養い育てます。

奉仕の基盤
復活された主イエスは、ガリラヤ湖岸にご自身を現わされ、弟子たちのために朝食を用意されました。食事の後、主イエスはシモンペテロに、三度にわたってご自身に対する愛を確かめられました。そして、その度ごとに、ペテロに「わたしの羊を飼いなさい」(ヨハネ21:15-17)と命じられました。ペテロは弟子になる以前はガリラヤ湖の漁師で、ガリラヤ湖畔で主から召命の声をきき、「人間をとる漁師」に変えられましたが(マタイ4:19)、ペテロは同じガリラヤ湖畔で復活のキリストから、新たに神の羊の群れを飼う者との召命を受けます。主の御計画の日時計は進み、十字架から復活の後、やがて訪れるペンテコステの教会誕生に向かって、主の教会の奉仕者が備えられる必要があったからです。ペテロはその筆頭格として主からご薫陶をいただいたのですが、その主の御薫陶の第一は、神の羊を養う者としての内側が確かめられることでした。主の羊を飼う牧者として最も大切にしなければならないことは、主に対する愛だったのです。この主ご自身を愛する愛をもって、主が愛される神の羊を飼うことができるからです。
こうして、使徒や預言者は、初代教会の建設の最初の段階においてその役割を果たしました。そして、その働きに携わる伝道者と、牧会、教育に当たる牧師、教師の職務が今日まで続いています。
牧師、教師の重要な働きは「聖徒たちを整えて奉仕の働きをさせ、キリストのからだを建て上げる」(4:12)ことでした。教会はこのようにキリストのからだである教会自体を建て上げることを目的としています。主のからだの建て上げは、一人一人の教会のメンバーによって行われます。パウロはここで「聖徒たち」と表現していますが、教会のメンバーが聖徒らしく主の僕として成長し成熟することによって、教会は「キリストの満ち満ちた身丈にまで達するのです。」(4:13)。
14節で「こうして、私たちはもはや子どもではなく」と書かれているとこから、パウロが「聖徒」と呼ぶ信徒の中に子どもの信徒と大人の信徒があることを知ることができます。子どもの特徴は、わがままで、分からず屋で、だまされやすく、だだをこねることですが、大人にはわきまえと分別があります。

奉仕者の成長と教会の祝福
では、どうすればこのキリストの満ち満ちた丈にまで至るという高い標準に達することができるでしょうか。それは神の子を信じる信仰です。信仰によりキリストを深く知ることにおいて可能となります。キリストを知る以前の私たちは、「不従順の子らの中にあって、かつては自分の肉の欲のままに生き、肉と心の望むことを行」(2:1.2)っていた悪魔の子であり、罪の奴隷でした。しかし、今は引き上げられ主に近づけられて、神の作品、聖霊の御住まいともなり、つまるところ、古いおのれは死んで、キリストが心の内にお住みになる者とされました。
私たちのために命を捨てて下さった神の子を信じ、その深い交わりの中でこのお方を知る時、キリストの愛、柔和、謙遜、寛容などの満ち満ちた徳が私たちの内に満ちてきます。「こうして、私たちはもはや子どもではなく、人の悪巧みや人を欺く悪賢い策略から出た、どんな教えの風にも、吹き回されたり、もてあそばれたりすることがなく、むしろ、愛をもって真理を語り、あらゆる点において、かしらであるキリストに向かって成長するのです。」(14,15)。
時々刻々神の子を信じ、親しく交わり知る、ここにキリスト者の成長の鍵があります。更に、神の子を信じる信仰と知識において教会が一致する時、教会全体としての成長と成熟が見られます(16)。また、パウロはローマ12:2で、「何が良いことで、神に受け入れられ、完全であるかをわきまえ知る」(ローマ12:2)と言いましたが、教会に連なる一人一人が霊的に健全なわきまえのある大人のキリスト者に成長してゆくことの中に教会の成長を見ることができます。無理を強いられて過剰な奉仕をするのでもなく、与えられた賜物をお互いが活かしつつ、感謝と喜びの中で、互いに結び合い、助け合い、分に応じて働くところに、健全な教会の祝福と成長を見ることができます。 
参考図書「高度を上げよ」工藤弘雄著 新聖書講解シリーズ8

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