「聖霊の大河」
聖書:エゼキエル書47章1-12節(旧p1501)
メッセンジャー:高江洲伸子師
いのちを与える川
聖書が示す「川」は、聖霊によって与えられる神の恵みを意味する箇所が沢山出て来ます。詩篇46:4「川がある。その豊かな流れは、神の都を喜ばせる。いと高き方のおられる その聖なる所を」。ここでの川の流れは、明らかに神ご自身に通じているところの流れです。私たちが神様から流れてくる(送られてくる)めぐみの川に浴するならば、霊肉共に、新しくされることでしょう。
イエス様もまた、「だれでも渇いているなら、わたしのもとに来て飲みなさい。わたしを信じる者は、聖書が言っているとおり、その人の心の奥底から、生ける水の川が流れ出るようになります。」(ヨハネ7:37,38)と言われました。
黙示録では、「渇く者は来なさい。いのちの水がほしい者は、ただで受けなさい」(黙22:17)と書かれています。(他、詩105:41 イザヤ48:18 66:12等)
私たちがこの豊かな神の恵みを受ける時、その恵みは、受けた人だけでなく、周りにいる渇いた人たちの心をも潤し活かします。この神の川とも言うべき、聖霊の川の流れるとこでは、地上のどのように荒れ果てた不毛の土地であっても、新鮮さといのちと美しさがあふれるようになります。
エゼキエルの見た幻の川
エゼキエルが最初に水の流れを見たのは、エルサレムの「神殿の敷居の下から東の方へと流れ出ていた」(47:1)だけの小さな水の流れでした。更に良く見ると、「その水は祭壇の南、神殿の右側の下から流れて」(1)いたのです。エゼキエルが水の流れに沿って東向きの外門に行くと、水は足首に達するほどになっていました(3)。この水の深さは聖霊による歩みを象徴しています。
続いて、彼がもう一千キュビト(約400-500メートル)進むと、水は腰のところまできていました。これは聖霊による祈りを示しています。祭壇の右下方から流れ出た水の水嵩(みずかさ)が深まり、腰に達するほどにもなったように、聖霊による祈りの生活は、十字架の祭壇の前で、明け渡せば明け渡すほど聖霊との深い交わりを持つことができるようになり、その祈りの中で聖霊の導きに従う思いと力を得ることにより、肉的な思いをコントロールすることができる者とされて行きます。
さらに一千キュビト進むと、「水かさが増して渡ることのできない川となった。川は泳げるほどになり、渡ることのできない川となった。」(5)。これは、完全な献身を意味しています。100パーセント自らを神にささげた人に、神様もまた100パーセント働いてくださり、私たちは、聖霊の十全の深みにまで到達するのです。
このいのちを与える川がアラバを通って、死海に入ってゆくと、塩で煮詰まった(海水が塩分濃度3%に対して死海は30%)死海の水は清められます(8)。聖書辞典は次のように記載しています。<アラバ「荒地」広義にはガリラヤ湖からヨルダン渓谷に沿って、アカバ湾に至る地溝地帯をいう。死海はこの地帯にあるので「アラバの海」とも呼ばれた。狭義には、死海の南からエジオン・ゲベルに至る乾燥した荒地をさす。>
そして9節「この川が流れて行くどこででも、そこに群がるあらゆる生物は生き、非常に多くの魚がいるようになる。この水が入ると、そこの水が良くなるからである。この川が入るところでは、すべてのものが生きる」。神の回復の恵みの中で他人のことを考えるようになり、そのように生き始めます。この恵みはそれを受けた一人に留まることはありません。人から人へと流れてゆき、この聖霊の川の水が流れてゆくところでは、すべてのものが生きるようになります。そこに群がるあらゆる生物は生き、非常に多くの魚がいるようになる(9)ように、神の新しい命によって、枯渇し干からびた骨のようでしかなかった状態から、真に生きる者とされます。
いのちを与える木
この川のほとりに群生している果樹について、12節から4つのことを知ることができます。1,それらは食べることができる。2.その葉は枯れず、その実は尽きない。3.月毎に新しい果実がなる。(黙示録22:2 いのちの木)4.これらの木の葉は薬となる。黙示録22:2に「その木の葉は諸国の民を癒やした。」と書かれていますが、聖霊の川沿いに生える果樹によって、私たちは満足な潤った生活を営むだけでなく、霊肉共に癒やされてゆきます。本当の癒しがここにあります。
この聖霊の大河の出発点は、初めは、エルサレム神殿の敷居の下から流れる小さな流れ水でしかありませんでした。ペンテコステもまた、アジアの片すみの2階の一室に身を寄せ合って「心を一つにして祈っていた」(使徒行伝1:14)人たちから始まった小さな点のような出来事だったかもしれません(使徒行伝2:1-4)、けれど、あの巨大なローマ帝国を覆してゆく動力源となり、全世界に増え広がっていったのです。聖霊の御声に従う小さな一歩からスタートさせて頂きましょう。