11月28日 礼拝メッセージ

「神にとって不可能なことは何もありません」

聖書:ルカの福音書 26-38

メッセンジャー:高江洲伸子牧師

「神にとって不可能なことは何もありません。」と、天使はマリアに告げたが、
果たして本当にそうなのでしょうか?イエス・キリストの誕生における経緯の中から、不可能を可能する神の御業が起こるクリスマスとさせていただきましょう。

1.天使の挨拶 26-29
「おめでとう、恵まれた方。主があなたとともにおられます。」(28)
「その六か月目に」は、高齢の祭司ザカリアの妻エリサベツが、子ども(バプテスマのヨハネ)を宿してから六か月目のこと。ここでは、ヨハネの誕生をザカリアに告げた天使ガブリエルが、六か月後に、ヨセフと婚約中のマリアに挨拶をしている。現代風に言うならば、「メリー・クリスマス」。「しかし、マリアはこのことばにひどく戸惑って、これはいったい何のあいさつかと考え込んだ。」(29) 口語訳聖書では、「ひどく胸騒ぎがして、思い巡らしていた」と訳す。突然の天使の挨拶に非常に困惑しているマリアです。

2.天使の御告げ 30-33
「…あなたは身ごもって、男の子を産みます。その名をイエスとつけなさい。…」
しかも、天使は、続いてマリアに子どもが生まれると告げる。当時のユダヤの習慣では、1年間の婚約期間中も婚姻関係にあると法律的にはみなされていたので、この天使の御告げを聞き入れることは、婚約中のマリアにとってははなはだ迷惑なことであり、破談以上に、姦淫罪に問われ、石打の刑を受けるかもしれないという大変な御告げでもあったのです。
 
3.マリアの驚きと決断 34-38
 ここで、マリアは当然の事として、「どうしてそのようなことがおこるのでしょう。…」(34)と天使に聞き返す。(それは、医学的も、科学的にも解明のしようのない内容故)そのマリアの問いに天使は、「聖霊があなたの上に臨み、いと高き方の力があなたをおおいます…神にとって不可能なことは何もありません。」(35-37)と答えている。天使は決して神様のみ旨をマリアに押し付けたのではありません。御使いは、エリサベツ夫妻に起こった出来事なども紹介し、これから神がマリアに成そうとしている事柄を順々と説明を加える。天使の務めは、神から受けたみ言葉を伝えること。そのみ言葉を聞いた人の側に於いては、受け入れることもできれば、退けることもできるが、神の御業は、御言葉を受け入れた人たちによって現実化される。それは丁度、発行された小切手を銀行にもってゆくと、所定の手続きを経て、現金になって帰ってくるような事柄と似ている。   ここでマリアは、「私は主のはしためです。」(38)と応答しているが、これは、御告げを理解できていない自分の卑小さを認め、自分の判断にのみ頼まず、理解の許容量をはるかに超える神の御思いを優先したという事とも理解できる言葉。

 イエス・キリスト誕生に至る一連のストーリーを振り返って、1章前半に書かれている祭司ザカリアと御使いの対話に心を留めてみれば、天使がザカリアに出会った場所は、図らずも、神殿で祭司として務めをしている時でしたから、今で言うならば民の為に神にとりなしの香をたいている神殿の聖なる場所での出来事でした。今で言うならば、祈りの場です(1:8-12)。そのザカリアに天使は「あなたの願いが聞き入れられたのです。あなたの妻エリサベツは、あなたに男の子を産みます。」(13)と、語りかけた。ところが残念なことに、ザカリアは高齢者であり、その一般的知識と常識の枠を超える御使いのことば、即ち霊的な事柄への理解の幅を広げることができず、子どもが授かるとという天使の説得を受けれることができない。結果天使は「あなたに話しをし、この良い知らせを伝えるために遣わされたのです。見なさい。これらのことが起こる日まで、あなたは口がきけなくなり、話せなくなります。その時が来れば実現する私のことばを、あなたが信じなかったからです。」(19-20)とザカリアに宣告する。マリアもまた天使の御告げが不可解であったことには変わらない。けれど、マリアは「神にとって不可能なことは何もありません。」(37)という天使のことばに、ただ、「私は主のはしためです。どうぞ、あなたのおことばどおり、この身になりますように。」(38)と自らを投げ出したのでした。夫ザカリアがヨハネ誕生まで言葉が話せなくなった状況を知る妻エリサベツは、マリアに向けて、「主によって語られたことは必ず実現すると信じた人は、幸いです。」(45)とその信仰を絶賛している。

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