「もう一人の助け主」
聖書:ヨハネの福音書 14章15-17節
メッセンジャー:高江洲伸子牧師
来週から、アドベント(待降節)に入ります。主の母マリアは、聖霊によって、イエス・キリストを宿しました(マタイ1:18、ルカ1:35)。イエス・キリストの公生涯の終わりを告げる最後の晩餐における惜別説教もまた、「もう一人の助け主」である聖霊について語られたのです。イエス・キリストの地上での生涯は、聖霊によって始まり、聖霊によって完結されていました。それほど、信仰生活と「聖霊の働き」は密接な関わりがあります。今日は、ヨハネの福音書14:15-17から、聖霊の特質と働きについて具体的に知ることに致しましょう。
聖霊の特質と働き
1.聖霊は、イエス・キリストの教えを守る人に送られる(15)
聖霊はどのような人に臨むのでしょうか。15節によれば、主の教えを守る人にご聖霊を送ってくださると書かれています。(ヨハネ14:21-24)
2.もう一人の助け主である聖霊(16)
ヨハネ16:7で主イエスは、「わたしが去って行くことは、あなたがたの益になるのです。去って行かなければ、あなたがたのところに助け主はおいでになりません。」と言われました。
十字架、復活、ペンテコステを経て、今私たちは聖霊時代を迎えています。ペンテコステまでは、聖霊は、祭司や王、預言者といった特別な人たちにしか与えられていませんでした。けれども、ペンテコステ以後、イエス・キリストを救い主として信じる全ての人に、いつでも、どこでも、誰にでも、直接に働きかけてくださる、良きカウンセラー、アドバイザーとして、私たちを日々導いてくださる、すぐそこにおられる助け主です。
ギリシャ語のパラクレートス(聖霊)は、私たちの傍らに立って、私たちの代わりに叫んでくださるお方を示しています。いつも、私たちのために執り成しをし、御心に適う祈りを献げて下さっているお方なのです。(ローマ8:26)
3.いつまでも共にいて下さる方(16)
「いつまでも、あなたがたとともにいるようにしてくださいます。」(16) 御聖霊は、死後、永遠までも一緒にいて下さるお方。けれど、私たちが罪を
犯したり、悪い言葉をはいたりすると悲しまれるご人格をもっている存在です。もし、私たちが罪を犯し続けたり、悪い行いをし続けているならば、聖霊の火は乏しくなり、やがて消えてしまうでしょう(エペソ4:29-30)。ジョン・ウエスレーは、「憂えしめない聖霊のご臨在は、億万のドンに勝る」と言いました。
再臨の時には、私たちの内に宿っているご霊によって、死ぬべきはずの私たちの体は栄光の復活の体に変えられ(ローマ8:11)、天に引き上げられてゆきます。これら全ては御聖霊の働きによります。ですから、終わりの日への何よりの備えは、あの賢い娘たちのように、常に(聖霊の)油を切らさないようにしておくことです。(マタイ25:1-12)
4.真理の御霊
「この方は真理の御霊です」(17)。「この方が来ると、罪について、義について、さばきについて、世の誤りを明らかになさいます」(ヨハネ16:8)。「しかし、この方、すなわち真理の御霊が来ると、あなたがたをすべての真理に導いてくださいます」(ヨハネ16:13)。聖霊は私たちに真理を悟らせ、真理は私たちを罪のしがらみから解放し、全き自由へと導きます。(ヨハネ8:32「真理はあなたがたを自由にします。」)
5.共におられ、また、内におられるお方
「この方はあなたがたとともにおられ、また、あなたがたのうちにおられるようになるのです。」(17)。パウロは使徒行伝19:2で、「信じたとき、聖霊を受けましたか」と、エペソで出会った弟子たちに尋ねています。宣教に聖霊は欠かせないものだからです。聖霊を受けた弟子たちを通して、福音宣教はエルサレムとユダヤの全土、更には、地の果て、異邦人伝道へと燃えるように拡大してゆきましたが、その原動力は、聖霊を受けた人たちの中から始まりました。
更に、コロサイ人への手紙1:27で使徒パウロは、「この奥義が異邦人の間でどれほど栄光に富んだものであるか、神は聖徒たちに知らせたいと思われました。この奥義とは、あなたがたの中におられるキリスト、栄光の望みのことで
す。」と憚ることなく、奥義なる(聖霊による)内住のキリストを指し示しています。
車を動かすためには、車体が整備できていかどうか、壊れていないかどうかを点検することと、ガソリンが十分にあるかどうかが決めてです。キリスト者にとって、救いの確かさと聖霊の油こそ、最必要とされるものと言えます。